【読書感想】Quitting やめる力 最良の人生戦略

ジュリア・ケラー著、児島 修 訳の「Quitting やめる力 最良の人生戦略」(日本経済新聞出版)を読んだ感想を配信していきたいと思います。この本は、仕事や結婚(婚姻関係)といった一般的にポジティブなことを”やめる”ことに対する悪い印象を払拭することを目的にしています。著者が長年続けてきた”やめた”人々へのインタビュー内容を軸に展開されています。

まず、”やめる”ことへのネガティブなイメージは日本的な考え方かと思っていましたが、著者の出身国アメリカでも同じような考え方があることには少しびっくりしました。世界共通なんですかね?とはいえ、仕事や結婚の仕組みからみて、やはり日本は諸外国に比べてやめることへの抵抗は強いんではないかと、私は考えます。

いずれにしても、なぜこのようなネガティブイメージがあるのでしょうか?

”やめる”の真反対の概念は”継続”です。さらにいえば、継続=努力・忍耐ともとれます。本来、世の中は不条理で、自分の人生であっても、自分が影響を与えられる範囲はごくごく限られています。しかしながら、この真実を直視したくないのが私たち人間です。自分の人生は自分次第でいかようにもコントロールできると思いたいのです。そして、古くから自己啓発の分野では、継続・努力・忍耐をキーワードに掲げることで、人気を博してきたのです。

意図してか、意図せずか分かりませんが、”継続”が良いこととされ、相反する”やめる”が悪いことになっていってしまったのではないでしょうか(”やめる”のに特別な努力などは必要無いため、単に自己啓発で扱われなかっただけと推察します)。

しかしながら、真実から考えれば、”継続”だけが人生を左右する絶対の概念では無いことが分かってきます。すると、”やめる”と”継続”のように考え方を二分することに意味がないことが分かりますよね?

両極端に考えるのではなくて、”やめる”ことも単に数ある選択肢の一部として考えましょう、というのが著者の主張です。

至極当然のことですよね?ですが、皆さんできていますか?やめられていますか?

結局、選択肢の一部だとわかっていても、”やめる”の順位はいつも最下位に位置していませんか?

シンプルに言ってしまえば、やめることを他の選択肢と同列に扱い、極めて合理的に選択肢の順位付けをしましょうというのが、本書の結論です。

では、実際に”やめる”の選択肢を取った場合、何が起こるでしょうか?この時点であなた自身の”やめる”ことへのメンタルブロックは外れていると思いますが、周囲はそうではありません。周囲はあなたに”継続”を促してくるでしょう

残念ながら、この抵抗に対する具体的な解決法はありません。他人の考え方はそう簡単に変えられはしません。結局は自分自身の考え方のシフト、覚悟と勇気と思い切りが必要になります。

なぜ解決法が載っていない本を私がおすすめするのか?とお思いになったとおもいます。この本の特徴はなんといっても、膨大なインタビュー内容になります。様々な”やめる”に至ったエピソードが掲載されています。普通に過ごしていて、こんなに色んな話を聞くことはできません。一つ一つ読んでいく中で、こんな風に考えていいんだ、この内容は私の状況に似ているなど、ご自身にしっくり来るエピソードから、あなたなりの解決法を考え、見つけ出していって下さい。

本書の読み方のアドバイスとして、本書は一から十まで順に読んでいくのは、かなりハードなので、まずは目次をしっかり読み、興味を引く項目から見て行っていいと思います。順番に読まないと分からない構成にはなっていませんので、ご心配なく。

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